笠地蔵 昔々ある村に、至って心の善い爺と婆とが住んでいました。爺は毎日編笠をこしらえて、町へ出て売って暮しを立てておりました。明日は正月という日にも笠を売りに出ましたが暮れの市だから笠などは少しも売れませんでした。仕方がないので笠を背負って戻って来ると、ひどい吹雪の中で野中の地蔵様が、濡れて寒そうに立っておられます。これはお気の毒だと思って、六つある笠を六つの石地蔵様に着せてあげました。そうして家へ来て婆にその話をして、何もする事がないからそのまま寝てしまいました。そうすると年越しの夜の明け方に、遠くの方から橇を曳く音がして、歌の声が聞こえて来ました。
 六台の地蔵さ
 笠取ってかぶせた
 爺あ家はどこだ
 婆あ家はどこだ
 こう言って橇を曳く声が、段々と近くなって来るので、起き出して、ここだここだというと、戸の口へどっさりと、宝物の袋を投げ込んで置いて、六人の地蔵様が帰って行く後影が見えたそうであります。

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作者:Miyu
婷婷嫋嫋疏離,飄飄搖搖相依。